Good Morning!モーガンヒルの気持ちの良い朝の風景からスタートです。
本日はいよいよスペシャライズド本社訪問、その模様をレポートしていきます!
ホテルから車で30分ほどでついに今回の目的地に到着。
遠くからでもわかる赤い大きな建物と見慣れたロゴマークが迎えてくれます。
無風でわかりづらいですがアメリカの国旗の横には私たちのために日本の国旗もつけてくれていました。
スペシャライズド本社は、ミュージアムや研修施設のあるこの建物のほか全4棟からなっています。
道を挟んで向かいには一番最近できあがったこちらの建物、全米向けの展示会ができるほどの大きなホールにもなっているそう。部門ごとにオフィスが点在していてセキュリティーも厳しくIDがなければ部屋も建物も行き来できません。
2017年シーズンも折り返しですが、この建物の中では2018年モデルの製品がかなり具体的になっているそうで今回は潜入できず。
さて、その先にはうってかわって真っ黒い建物に真っ黒のロゴマーク。自転車メーカーではスペシャライズドだけという自社風洞実験施設「WINTUNNEL」(ウィントンネル)のある建物がここです。
もともとここが本社機能を果たしていたそうで、増築を重ね今の敷地に至り、その後倉庫として使っていたこの建物に「風洞事件施設を作ってしまおう」と、いち社員のひとことから始まったプロジェクトだったとのこと。さすが「INOVATE or DIE」が社訓の会社です。
入り口を入ると大きなメッシュ状の壁、木がむき出しの補強など、これだけではまだ中は想像できません。
その横には建設途中のパネルと、これまた想像がつかない物体が・・・これは後ほどわかります。
ウィントンネルのWIN、風のWINDと勝利のWINをかけているそう。まさに勝利のための風洞実験施設です。
そしてついに潜入!カタログや動画で見ていたままのあの風景、感動と圧倒でなんとも言えません。
この見るからにすごい風が吹いてきそうな巨大なファン、おそらくみなさんの想像とは逆の働きが。
反対側には入り口入ってすぐに見えたメッシュ状の壁(入り口が透けて見えています)、実はこちらが前。
巨大なファンは空気を吸う働きで風を起こしていたのです、想像と違いましたよね?
メッシュ状に見えた壁、実は厚みのあるハニカム構造で吸い込んだ空気の流れをまっすぐにする効果があります。
この広い壁から吸い込んだ大量の空気を狭いところへ圧縮することで強風を生み出しているのです。
そして選手のパワーにも負けない強度と超精密な計測ができる重要な装置「フォースバランス」。
理屈は体重計を縦にしたようなものらしく、重さが増えれば抵抗増、減れば抵抗減、というもの。腕時計のあるなし、自転車のアウターケーブルの長い短い、で生まれる空気抵抗まで計測できる精度だそうです。
担当者から直接話を聞けたり質問できたりするのが今回の研修の醍醐味。
時間借りの別施設で実験していたときは費用も膨大、実験内容も限られてしまい修正後の再検証は何か月も先になってしまっていたそう。それが今では社内の3Dプリンターで作ったもので検証、修正があれば翌日には再検証ができるそう。製品開発のスピードと精度が圧倒的にアップしたとのこと。ここで生まれる製品は自信をもって世界一と言える、と担当者も自負していました。
別室のモニタールームには風速や角度、その他にもいろいろなグラフやデータが映し出されています。
このウィントンネルの凄さがもう一つ。通常借りる施設では車やオートバイ、飛行機など、もっとハイスピードな製品の実験のためのものなのが、ここでは人間が自力で動かす程度のスピード域に適した設備と精度になっていること。
時速50km近い選手のためのレースの機材だけではなく、一般のユーザーが走る時速20km前後でも効果があるように製品開発されているわけです。
この後実際に風速70mを体験、すごい音と前に向かって斜めに立てる感じです。
風速110mほどまで対応していて、一人だけではなくチームタイムトライアルなど複数人でのドラフティングや配列なども実験されているそうです。
さてさて、入り口入ってすぐにあった正体不明な物体、覚えていますか?
実はこの巨大なファンのベース部分の金型でした。しかもカーボンである必要は全くないそうですが、エンジニアたちが実際に現場で手作りしたとのこと。スペシャライズドらしい逸話ですよね。
その巨大なカーボンの枠のサンプルをつかったオブジェには、ここを訪れて実際に風洞実験を行った数々の選手たちのサインが刻まれています。
ということで風洞実験施設はここまで。まだまだあります中編後編もお楽しみに!
「アメリカ本社研修中編!ブランドヒストリー&ついに創業者と!」
「アメリカ本社研修後編!こんなにある!?社内の施設いろいろ」
ウィントンネルでは自社施設ならではの面白い実験も数々行っています!↓↓↓