さて、序盤から重要施設「ウィントンネル」見学と興奮冷めやらぬまま次のセクションへ。
こちらは創業当時から現在に至るまでのスペシャライズドのヒストリーがわかるミュージアムです。
解説いただいたのはなんと動画で見ていたあの方。頭でイメージできるものは何でも形にできるという、30年スペシャライズド製品のデザインを支えているクリエイティブデザイナーの長「Robert Egger」(ロバートエッガー)さん。
30年だけあって創業者マイクシンヤードさんの秘密はなんでも知っているといいます。(笑)
アメリカにまだスポーツバイクが普及していなかった頃、フォルクスワーゲンのバスを売って旅行資金を捻出。ヨーロッパに渡り人伝いに巡り合ったのがチネリ氏。そこでパーツの輸入権を獲得、良質で最高のパーツをアメリカにも届けたいと販売を始めたのが1974年、Specialized Bicycle Componentsの創業でした。
ここに写っている自ら配達をしていた自転車とトレーラー、オフィスの小物はなんとすべて当時の本物!ミュージアムを作るにあたってシンヤードさんに何か残っていないか尋ねると屋根裏から何もかもがそのまま出てきたといいます。「捨てられない人なんだ」と笑い話も。今でも時々ここに座って物思いにふけっているときがあるとか。
最初の自社製品は今でも高性能で評価の高いタイヤ、しかも日本の業者に製造を依頼していたんです。それもあって今でも日本は大好きなんですって。
今では革新的な製品を生み出すメーカーとしての印象が大きいスペシャライズドですが、最大の功績は世界初の量産マウンテンバイク「スタンプジャンパー」の開発など少量で高価だったスポーツバイクを世界に普及させたこと。
写っているのは自社開発初期のころのバイクたち。大の自転車好きだったシンヤードさん、なんとかこの楽しい乗り物をたくさんの人たちに届けたいとの思いだったそうです。
そしてここからはまだ記憶に新しい、数々のイノベーションと数々の名選手の勝利を支えてきた名作も展示されています。マウンテンバイクもロードバイクも、ヘルメットやパーツも常に時代をリードするメーカーで有り続けているのがわかります。
こちらは最新の技術「Rider-First Engineered」(ライダーファーストエンジニアード)の秘密がわかるカーボンシートの展示。右がターマック、左が女性用アミラです。
カーボンシートの大きさや方向、枚数をコントロールすることで、それぞれのフレームサイズで最適な剛性と振動吸収性を実現したこの技術、その名の通り乗り手が最優先というメーカーの思いが体現されたイノベーションの一つですね。
さてさてデザイナーのエッガーさん、「世界最古の自転車を見てみたいかい?」と真面目な顔で連れていかれた次のセクションに現れたのがこちら。こんな遊び心があってこそ数々の名作が生み出されているのですね。
こちらはもうそう遠くないであろう未来の自転車、その名も「FUCI」。UCIの規定なんて大嫌いだって意味だそうです・・・。
そんな無限のイメージで作られた自転車たちが所せましとこのロビーには展示されています。ここで打ち合わせをするだけでクリエイティブなイメージが湧いてきそうですよね。
中でも目を引いたのが、このフロアではひと際現実的なシルエットのこのロードバイク、なんとリアサスペンション「FSR」付き!?明らかに実走感がありもはや試作品の域を超えた仕上がりに見えます・・・楽しみですね。
と、突然現れたこの方。ついにスペシャライズド創業者、マイクシンヤードさんご本人にお会いすることが出来たのです!
とても優しく暖かい雰囲気で、日本のディーラーへの感謝の気持ちや日本が大好きなお話などなど。今でも出張が多いほど忙しくお仕事されているそうですが、そうでないときにはオフィスにもよくいらっしゃるそう。とにかく緊張しましたがお会いできてよかったです。
一角にはSPECIALIZED WAYという社訓が記された壁もありました。階段の途中で全部映らなかったのが残念ですが、「INNOVATE or DIE」や「THE RIDER IS THE BOSS」などなどスペシャライズドを表す名台詞が数々。ここを通るたびに身を引き締めるのでしょうね。
会議室では日本の事情が知りたい、とグローバルのロード責任者の方と意見交換のミーティング。新型ルーベルビーの印象やディスクロードのこれから、サガン選手やキッテル選手の近況などなど、有意義な話し合いが出来ました。2018年もエキサイティングな年になるから楽しみに!とのこと。
まだまだあります、スペシャライズドがどんな会社かわかる後編もお楽しみに!
「アメリカ本社研修前編!風洞実験施設「WINTUNNEL」(ウィントンネル)」
「アメリカ本社研修後編!こんなにある!?社内の施設いろいろ」
創業者マイクシンヤードさんとデザイナーロバートエッガーさんのエピソードもどうぞ。↓↓↓